奈良・山本病院の診療報酬不正、患者死亡事件

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診療報酬詐取で実刑判決を受け控訴中だった奈良県の「山本病院」元理事長ら2人を業務上過失致死容疑で逮捕。[関連情報]

ニュース

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業務上過失致死事件の概要

2006年6月、52歳元理事長らが入院中の51歳男性に肝腫瘍の摘出手術を実施。肝臓手術にも関わらず、輸血用血液を用意せず、医師2人、看護師2人の計4人で行われた。手術中に肝静脈を傷つけ大量出血し、男性は心肺停止状態に。赤十字血液センターから急遽血液を取り寄せ男性に輸血。人工呼吸や心臓マッサージも施されたが、手術開始から約4時間半後、男性の死亡が確認された。
2010年2月6日、奈良県警捜査1課などは、不十分な態勢下での手術を避ける注意義務を怠り男性を死なせたなどとして、業務上過失致死容疑で、52歳元理事長と54歳元主治医の両容疑者を逮捕した。

時系列

日 付摘 要
2010年2月6日奈良県警は、業務上過失致死容疑で、52歳元理事長と54歳元主治医の両容疑者を逮捕。
奈良県警は、肝臓手術で死亡した男性の日記を公表(遺族が公開を承諾した部分の抜粋)。
2月17日奈良地裁は、逮捕された2容疑者について、10日間の拘置延長を認める決定。
2月25日元主治医の54歳容疑者が、拘置中の奈良県警桜井署で意識不明となり、病院で死亡。
死因は急性心筋梗塞
2月26日奈良地検は、業務上過失致死罪で52歳元病院理事長を奈良地裁へ起訴
産経新聞|時事通信

がん治療での医療費

がんの治療にかかる医療費(診療報酬)は、治療に高度な技術を要するとか、高価な薬剤を使用するなどで他の疾病治療に比較して高くなる。
  • 医療費について - 抗がん剤治療や検査、がんに侵された臓器摘出などに実際にかかった費用。まさかりの部屋

傷害致死での立件を見送り

医師は、手術では患者の身体を傷つけているので「人の身体を傷害した者(刑法第204条)」に該当するが、同時に、患者の身体や生命を守るための「正当な業務」なため、「正当な業務による行為は、罰しない(刑法第35条)」に該当し、通常、傷害罪にならない。
本件では、腹部造影CT検査の結果「(手術の必要がない)良性腫瘍」であったにも関わらず、「悪性腫瘍(癌)」と患者に偽った告知をして手術している。患者に嘘の告知をして本来ならする必要がない手術をしているため、仮に医師免許を持っていたとしても、その手術を治療目的の「正当な業務」とは言い難い。
過失犯の業務上過失致死ではなく、故意犯の傷害致死とするには、癌と偽って手術した動機などを証明する必要があるが、捜査機関が立証できれば、故意で「人の身体を傷害し、よって死亡させた者(刑法第205条)」になるため、本件は、捜査次第で傷害致死罪に問われる可能性があった。
奈良県警は傷害致死容疑での立件を目指していたが、2010年2月26日、検察は「傷害致死は視野に入れていたが、堪える証拠がないと判断した」と傷害致死での立件を見送った。

業務上過失致死事件の公判関係

起訴状況

罪 名該当法法定刑
業務上過失致死罪刑法第211条5年以下の懲役(禁錮)、100万円以下の罰金

第一審 奈良地裁

通常の医療ではあり得ない本件での事象

癌の告知について

本件では、医師免許をもった者が良性腫瘍を悪性腫瘍(癌)と患者に告知し摘出手術をするように勧めて手術をしているが、癌を告知する場合、癌が初期であっても患者の精神的ショックが大きくなる例が多くあるため、医師は患者を気遣い細心の注意を払って告知する。検査の結果、腫瘍が良性と分かったものを、誤って悪性と患者に告知することはあり得ない。

肝臓の摘出術について

肝臓は血管が集中しているため、腫瘍の摘出術では大量出血の危険性がある。手術の難易度が高いので、通常、専門医や執刀経験豊富な熟練医が執刀する。本件のように事前に輸血用血液を準備しないとか、肝臓手術未経験の医師だけで腫瘍摘出術の執刀はあり得ない。

遺族のコメント

診療報酬不正事件の概要

奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」の理事長と事務長が、生活保護受給者の患者2人に心臓カテーテル手術をしたように装い、虚偽のレセプト(診療報酬明細書)を使って約170万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕された。

東奥日報 診療報酬詐取事件

時系列

日 付摘 要
2009年12月医療法人雄山会が破産手続きを開始。
2010年1月13日病院理事長に懲役2年6月の実刑判決。弁護側は判決を不服として即日控訴。
1月18日控訴中の52歳病院理事長について、大阪高裁が保釈を認める決定をした
被告が保釈保証金の1800万円を即日納付し、保釈された
6月10日大阪高裁は懲役2年6月とした一審奈良地裁判決を支持、弁護側の控訴を棄却
産経新聞|時事通信

診療報酬不正事件の公判関係

起訴状況

罪 名該当法法定刑
詐欺罪刑法第246条10年以下の懲役

判決状況

審 理被 告検察求刑判 決裁判所判決日
第一審元業者求刑 懲役3年懲役3年、執行猶予5年奈良地裁2009年11月30日
元病院事務長求刑 懲役2年6月懲役2年6月、執行猶予5年2009年12月17日
病院理事長求刑 懲役4年懲役2年6月2010年1月13日
控訴審控訴棄却懲役2年6月大阪高裁2010年6月10日

診療報酬とは

心臓カテーテル検査とは

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