大阪・此花区のパチンコ店放火

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2009年7月5日、大阪市此花区のパチンコ店が放火され、現場近くに住む41歳男が逮捕された。死者は5人に。[関連情報]

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事件概要

2009年7月5日午後4時15分頃、大阪市此花区の雑居ビル1階のパチンコ店から出火した。約20分後に消し止められたが、約400平方メートルの店内は全焼。この火事によって、69歳男性、72歳女性(会社会長)、62歳女性、20歳女性(同店派遣従業員)の4人が死亡し、19人が重軽傷を負った。店員らの証言により、油のようなもの(後にガソリンと判明)をまいて火を点けて逃げた男がいたことが分かり、大阪府警は現住建造物等放火、殺人、殺人未遂容疑で捜査を開始した。死亡した4人を司法解剖した結果、3人が焼死、1人が一酸化炭素中毒死と判明した。
翌6日、「自分がやった」と山口県警岩国署に男が出頭。供述が状況と矛盾しないことから、此花署捜査本部は、現住建造物等放火、殺人、殺人未遂容疑で41歳男を逮捕した。

時系列

日 付摘 要
2009年7月5日大阪市此花区の雑居ビル1階のパチンコ店で出火。死者4名、重軽傷者19名
7月6日41歳男が山口県警岩国署に出頭。
此花署捜査本部が現住建造物等放火、殺人、殺人未遂容疑で逮捕。
7月24日大阪地裁が精神鑑定を行うための鑑定留置を認める。(期間:10月26日まで)
8月6日重症だった50歳男性(無職)が入院先の病院で死亡。被害死者が5名になる。
10月23日大阪地裁が精神鑑定を行うための鑑定留置延長を認める。(期間:11月30日まで)
12月3日約4ヶ月にわたる精神鑑定では「統合失調症」と診断。
地検は容疑者の供述などから「犯行時に責任能力はあった」と判断。
大阪地検が41歳無職容疑者を殺人、現住建造物等放火などの罪で起訴

起訴状況

罪 名該当法法定刑量刑例
現住建造物放火罪刑法第108条死刑、無期、5年以上の懲役現住建造物等放火の罪の場合
殺人罪刑法第199条死刑、無期、5年以上の懲役主たる罪が殺人罪の場合
殺人未遂罪刑法第203条
量刑例:殺人事件・判例 罪名別判決例 - まさかりの部屋
  • 現住建造物等放火、殺人、殺人未遂罪は、どの罪も裁判員裁判対象の罪。
  • 放火行為で人を殺した場合には、故意(罪となる事実を認識し、かつ結果の発生を意図または認容していること)の程度によって量刑に違いが出ている。

公判関係

第一審 大阪地裁(和田真裁判長) 裁判員裁判

日 付摘 要
2011年9月2日裁判員選任手続き
9月6日初公判(罪状認否、冒頭陳述) 被告は「間違いありません」と起訴事実を認める
9月7日第2回公判(証人尋問) 事件で大やけどを負った男性が、「極刑を望みます」と述べる
9月13日第3回公判
9月14日第4回公判
9月15日第5回公判
9月21日台風接近で公判中止
9月22日第6回公判(弁護側による被告人質問) 
被告は「自分を見て見ぬふりの世間に復讐したかった」と犯行動機を語る
9月30日第7回公判(検察側、被害者参加人による被告人質問)
被告は「当然死刑でいいと思う」。謝罪を求めた遺族に「今さら謝る気もない」
10月4日第8回公判(精神鑑定をした医師の証人尋問)
犯行時の被告について「妄想に行動が左右される状態ではなかった」
10月5日第9回公判(捜査段階で「軽度の統合失調症」と診断した医師の証人尋問)
「強固な妄想に突き動かされて事件を起こしており、責任能力は限定的だった」
10月6日第10回公判(精神鑑定をした医師の証人尋問)
「被告は覚醒剤の影響による精神障害だったが、事件当時、合理的な判断はできた」
10月11日第11回公判(オーストリアの法医学者の証人尋問)
絞首刑の死因について、窒息死の他に「首が切断されるケースがある」と証言
10月12日第12回公判(土本武司元最高検検事の証人尋問)
「(絞首刑は)正視に堪えない。限りなく残虐に近いものだ」と証言
10月13日第13回公判(遺族や被害者による意見陳述)
遺族の一人は「被告の責任の取り方として、死刑を望みます」と訴える
10月17日第14回公判(検察側:論告求刑、弁護側:最終弁論、被告の最終意見陳述)
検察側は「極めて残虐非道」として死刑を求刑
10月18日
〜28日
裁判官・裁判員評議
10月31日第15回公判(判決) 大阪地裁は被告に対して求刑通り死刑を言い渡し
11月2日弁護側は、被告を死刑とした1審大阪地裁判決を不服として大阪高裁に控訴
産経新聞

控訴審 大阪高裁

判決状況

審 理検察求刑判 決裁判所判決日備 考
第一審求刑死刑死刑大阪地裁2011年10月31日弁護側控訴
控訴審大阪高裁

統合失調症罹患者と責任能力

被告人が犯行当時統合失調症に罹患していたからといって、そのことだけで直ちに被告人が心神喪失の状態にあったとされるものではなく、その責任能力の有無・程度は、被告人の犯行当時の病状、犯行前の生活状態、犯行の動機・態様等を総合して判定すべきである

最高裁判例 昭和59年7月3日

  • 2002年より「統合失調症」に改められているため、判例の「精神分裂病」部分を「統合失調症」と表記。
  • 統合失調症 - Yahoo!百科事典

解説

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