鑑定医の供述調書漏えい事件

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奈良県の医師宅放火殺人を取り上げた草薙厚子さんの本について、関係者の供述調書の大量引用が問題となった。[関連情報]

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供述調書漏えい事件の概要

時系列

日 付摘 要
2006年6月奈良県田原本町で母子放火殺人事件が発生
2007年5月21日『僕はパパを殺すことに決めた』刊行
『僕はパパを殺すことに決めた』について - 講談社(2007年10月17日)
9月14日奈良地方検察庁による強制捜査が行われる
10月14日秘密漏示容疑で長男を鑑定した京都市の精神科医を逮捕
11月30日講談社が出版の経緯や意義などを調査、検証する第三者調査委員会を設立すると発表
四国新聞|47NEWS

草薙厚子さん

奈良地検は、草薙さんが鑑定資料を閲覧したことを認定したが、取材活動の範囲内だと判断、共犯には問えず不起訴処分(嫌疑不十分)とした。
草薙厚子さんについて

講談社の見解

医師が問われている罪

秘密漏示罪

刑法 第134条 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

刑法 第十三章 秘密を侵す罪

公判関係

第一審 奈良地裁(石川恭司裁判長)

日 付摘 要
2008年4月14日第1回公判
5月1日第2回公判
5月29日第3回公判 被告側が草薙さんを厳しく批判
12月17日第4回公判
2009年1月14日第5回公判 (証人尋問) 「情報源は崎浜医師」草薙さんが認める
1月27日第6回公判 (証人尋問、被告人質問) 「いまも後悔していない」崎浜被告
2月24日第7回公判 (検察:論告求刑、弁護側:最終弁論) 
4月15日第8回公判 (判決) 懲役4月、執行猶予3年(求刑懲役6月)の有罪判決
47NEWS

控訴審 大阪高裁(小倉正三裁判長)

日 付摘 要
2009年10月27日第1回公判 弁護側は改めて無罪を主張、検察側は控訴棄却を求めて即日結審
12月17日第2回公判 (判決) 懲役4月、執行猶予3年を言い渡した1審判決を支持、控訴を棄却

上告審 最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)

2012年2月15日、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は13日付で、被告側上告を棄却する決定をした。

判決状況

審 理検察求刑判 決裁判所判決日
第一審求刑懲役6月懲役4月、執行猶予3年奈良地裁2009年4月15日
控訴審控訴棄却大阪高裁2009年12月17日
上告審上告棄却
最高裁判例(PDFファイル)
最高裁第2小法廷2012年2月13日

放火事件の概要

2006年6月、奈良県田原本町の医師宅が全焼し、妻子3人が死亡した事件。16歳だった医師の長男が放火、殺人容疑で逮捕され、家裁の少年審判で中等少年院送致となった。

東奥日報「奈良の医師宅放火殺人」

少年法の精神とは

少年の更生のため、審判を非公開としている。

第二十二条  審判は、懇切を旨として、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならない。 2  審判は、これを公開しない。 3  審判の指揮は、裁判長が行う。

法令データ提供システム「少年法」

識者の見方や意見

取材源明示への波紋

草薙さんは2009年1月14日の公判で、取材源の医師を初めて明かした。これに対して、「取材源の秘匿は大原則だ」(産経新聞)、「取材源を明かすとは」(信濃毎日新聞)との批判や、「重い教訓に耳を傾けたい」(神戸新聞)などの意見が寄せられた。

取材源の秘匿

もし、身分を失う危険がありながら取材に応じてくれた人がだれかを明かしてしまったら、その後、記者は信用を失います。そうなると、多くの悪事が隠されたままになり、みんなが暮らす社会全体にとってよくありません。

こどもアサヒ「記者の大原則「取材源の秘匿」が危機」

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