宮城3人殺傷事件

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2010年2月、当時18歳の少年が元交際相手の姉や友人ら3人を殺傷。裁判員裁判初の少年に対する死刑判決となった。[関連情報]

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事件概要

2010年2月10日午前6時40分頃、宮城県石巻市の民家に押し入った18歳の少年が、男女3人を包丁のようなもので次々に刺し、2人が死亡、1人が胸を刺され重傷を負った。少年は女性1人を連れて乗用車で逃げていたが、宮城県警は、同日午後1時過ぎ18歳解体工の少年の身柄を確保。一緒にいた別の17歳無職の少年と共に未成年者略取と監禁容疑で現行犯逮捕。
同年3月4日、県警石巻署捜査本部は、民家に侵入し、20歳女性と18歳女子高生を刺殺、20歳男性に重傷を負わせたとして、18歳少年と17歳少年を殺人、殺人未遂などの容疑で再逮捕。同26日、仙台地検は「刑事処分相当」の意見を付け、仙台家裁に送致。
仙台地検は、同年4月28日、仙台家裁から逆送された17歳少年を殺人ほう助などの罪で仙台地裁に起訴。同30日、同家裁から逆送された元解体工の18歳少年を殺人、殺人未遂などの罪で仙台地裁に起訴した。

事件経過

日 付時 刻摘 要
2010年2月9日18:00頃元交際相手の少年が南部さん方に押しかけトラブルに
警察官らが南部さん方からの通報で駆けつけるが、少年は既に立ち去った後
2月10日6:40頃少年2人が南部さん方に再び押しかけ、持っていた包丁で男女3人を殺傷
6:43頃異変に気付いた近所の住民が119番通報。
2人の少年は次女を連れ去り乗用車で逃走
13:05頃石巻署が市内の知人宅にいた2人を発見。一緒にいた次女を保護
2人の少年を未成年者略取と監禁容疑の現行犯で逮捕

時系列

日 付摘 要
2010年2月10日午前6時40分頃、男女3人が刺される。20歳女性と18歳女子高生が死亡、20歳男性が重傷。
「(元交際相手の)少年に刺された」と重傷男性が証言
午後、宮城県警は、18歳少年を石巻市内で身柄確保。
一緒にいた別の17歳少年と共に未成年者略取と監禁容疑で現行犯逮捕
県警が殺害された2人を司法解剖した結果、出血性ショック死と判明
3人の刺し傷は腹や胸など前部に集中し、抵抗した際にできる防御創がほとんどなかった
宮城県警は石巻署に捜査本部を設置
2月12日午前、捜査本部は18歳少年と17歳少年を未成年者略取と監禁容疑で仙台地検に送検
2月23日18歳少年が刺したことを認める供述を始める
2月24日18歳少年が犯行時に着ていた血痕付きのダウンジャケットが押収されていた
3月4日県警石巻署捜査本部は、民家に侵入し、男女3人を死傷させたとして、
18歳少年と17歳少年を殺人、殺人未遂などの容疑で再逮捕
3月26日仙台地検は、殺人などの非行事実で18歳少年を、殺人ほう助などの非行事実で17歳少年を、
「刑事処分相当」の意見を付け、仙台家裁に送致。
仙台家裁は、2人を少年鑑別所に2週間入所する観護措置に(3回延長可。最長8週間)
4月19日仙台家裁で殺人ほう助、殺人未遂ほう助の非行事実で送致された17歳少年の少年審判
「殺人行為そのものを阻止したり犯行から離脱したりする機会は何度もあった」として、
仙台家裁は刑事処分相当と判断。検察官送致(逆送)を決定
4月21日仙台家裁で殺人、殺人未遂などの非行事実で送致された18歳少年の少年審判
「結果は極めて重く、犯行態様も殺意をもって無抵抗の者を次々と刺すなど冷酷非道
「計画性も認められる」として、仙台家裁は刑事処分相当と判断。検察官送致(逆送)を決定
4月28日17歳少年が犯行に使った牛刀(刃渡り18cm)を調達するなど手助けしたとして、
仙台地検は、17歳少年を殺人ほう助などの罪で仙台地裁に起訴
4月30日仙台地検は、元解体工の18歳少年を殺人、殺人未遂などの罪で仙台地裁に起訴

起訴状況

罪 名該当法法定刑量刑例
殺人罪刑法第199条死刑、無期、5年以上の懲役主たる罪が殺人罪の場合
殺人未遂罪刑法第203条
傷害罪刑法第204条15年以下の懲役、50万円以下の罰金
未成年者略取罪刑法第224条3月以上7年以下の懲役
銃刀法違反(所持)の罪銃刀法第31条の3第1項1年以上10年以下の懲役
量刑例:殺人事件・判例 罪名別判決例 - まさかりの部屋
  • ほう助犯:正犯を幇助した者は、従犯(刑法第62条)とし、従犯の刑は、正犯の刑を減軽する(刑法第63条)。
  • 殺人、殺人未遂罪は裁判員裁判対象の罪

公判関係

第一審 仙台地裁(鈴木信行裁判長) 裁判員裁判

日 付摘 要
2010年11月15日裁判員選任手続き
初公判(検察・弁護側:冒頭陳述) 少年は3人殺傷に関し、起訴事実を認める
未成年者略取や傷害罪など一部については否認
11月16日第2回公判(共犯の無職少年、負傷した会社員男性の証人尋問)
男性は「2人を殺した被告のことは、極刑になっても絶対許さない」と証言
11月17日第3回公判(次女の証人尋問) 「少年が生きているだけで怖い。極刑を望みます」と述べた。
11月18日第4回公判(被告人質問、被告の母親の証人尋問) 少年は女性への傷害罪などを否認
「自分のしたことを絶対忘れないで、一生償っていきたい」と述べた。
11月19日第5回公判(被告人質問) 少年は「僕も被害者の立場なら、犯人に極刑を求めたと思う」
また、「自らの命をもって償う気持ちはあるか」に対して、「あります」と答えた
(検察側:論告求刑、弁護側:最終弁論、被告の最終陳述)
検察側は、被告の少年に対して死刑を求刑
少年は「僕みたいなことをしてしまう人がもう現れないように、厳しく処罰して下さい」
11月22日
24日
裁判官、裁判員評議
11月25日第6回公判(判決) 「結果は極めて重大で、更生可能性は著しく低い」と述べ、
仙台地裁は、求刑通り死刑の判決を言い渡し
弁護団によると、少年は閉廷後、「判決を受け入れたい」と話した
弁護団は、事件当時の年齢を重視すべきだなどとして、控訴を促す方針
12月2日少年は「控訴することは被害者に許されない」と判決を受け入れる意思をあらためて示す
12月6日少年の弁護団は、判決を不服として控訴(弁護団が控訴を説得し、少年が同意)。
共同通信

控訴審 仙台高裁(飯渕進裁判長)

日 付摘 要
2011年11月1日初公判(冒頭陳述) 弁護側は1審判決について破棄するよう訴える
12月16日第2回公判
2012年2月9日第3回公判
毎日新聞

判決状況

審 理検察求刑判 決裁判所判決日
第一審求刑死刑死刑仙台地裁2010年11月25日
控訴審仙台高裁

共犯の無職少年の判決

審 理検察求刑判 決裁判所判決日
第一審求刑懲役4年−8年懲役3年−6年仙台地裁2010年12月17日
  • 検察、弁護側共に非控訴。判決確定

少年事件での刑事処分

少年事件(14歳以上)は、原則として家庭裁判所に送致され、家庭裁判所が、審判不開始、不処分、保護処分(少年院送致、保護観察)、検察官送致(逆送)などの判断をする。ただし、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪(殺人、強盗致死などの罪)の事件で、その罪を犯した時に16歳以上の少年については原則逆送(少年法第20条第2項)。
家庭裁判所が少年を刑事処分にする必要があると認めた場合、検察官送致(逆送)した後、地方裁判所で刑事裁判として審理される。少年法では、罪を犯した時に18歳未満の者に対しては、死刑で処断すべき時であっても無期刑を科す(少年法第51条第1項)ことになっているが、18歳以上は制限されていない。18歳以上の少年については、少年であっても罪責が重い場合には、成人同様、刑罰に死刑の選択もあり得る。

被害届について

DVなど親しい関係での暴行被害の場合、被害者が、加害者に対する想いや、加害者からのさらなる暴力を恐れるなどの理由で被害届を出さないことが多くあるが、警察と言えども、違法に人を逮捕するなどして捜査出来ない。警察が刑事訴訟法などの規定に沿って本格的に捜査できるようにするだけでなく、死亡事件などの重大犯罪行為を未然に防ぐためにも、被害を受けたという意思表示を表す被害届の提出は重要。

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