焼き肉チェーン店で集団食中毒

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チェーン店「焼肉酒家えびす」でユッケなどを食べ5人死亡。2011年10月から生食用牛肉の新基準が施行された。[関連情報]

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概要

2011年4月19日より26日の間に、複数の店舗において、食材の一部に菌が付着していたと想定される「和牛ユッケ」から腸管性出血性大腸菌O-111による男児ら複数名が死亡する集団食中毒が発生。

行政処分、食品衛生法第55 条に基づく営業の停止および無期限禁止

県は、株式会社フーズ・フォーラスに対し、「焼肉酒家えびす砺波店」4月27日営業停止処分、「駅南店」4月30日営業停止処分、「福井渕店」5月2日営業停止処分、「富山山室店」5月6日営業停止処分、「横浜上白根店」5月16日営業禁止処分とした。なお、「焼肉酒家えびす」は4月27日より生食用食肉(ユッケ)の販売自粛、4月29日から全店舗の営業自粛。

2011年10月1日施行の新基準

枝肉から小分けしたブロック肉を密封し、湯せんなどで表面から深さ1センチ以上の部分を60度で2分以上加熱することを求めた。飲食店は原則、業者が加熱処理した肉を仕入れ、周囲を削り取るトリミングをし、火が通っていない部分を調理する。加熱処理やトリミングには専用の場所や器具が必要。

47NEWS

罰則など
違反した場合は営業停止のほか、悪質な場合は2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科される(産経新聞)。

溶血性尿毒症症候群(HUS)

腸管出血性大腸菌(O-111)を検出

チェーン店と卸会社の食い違う主張

和牛より単価の安い交雑種の肉を含めて加工

チェーン店は、肉の一部しか使わない贅沢なユッケ(70〜80g)を和牛で一皿280円で提供していた。肉の歩留り、他の材料、人件費などの経費を考慮すると、提供するためには牛肉の原価を1000円/kg程度に抑える必要があるが、和牛の赤身部分だけで1000円/kgの肉は通常ではありえない。

時系列

日 付摘 要
2011年4月19日
〜23日
「焼肉酒家えびす砺波店」を訪れた1〜70歳の男女24人が食中毒症状を訴え
うち21人が29日までに入院
4月27日「焼肉酒家えびす福井渕店」で食事をし、「O-111」に感染した6歳男児が死亡
4月29日「焼肉酒家えびす砺波店」で食事をし、「O-111」に感染した6歳男児が死亡
5月2日富山県警が、業務上過失致死傷容疑で砺波署に捜査本部を設置
5月3日福井県警が、業務上過失致死傷容疑で福井南署に捜査本部を設置
5月4日「焼肉酒家えびす砺波店」で食事をし、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症した43歳女性が死亡
富山、福井両県警は、業務上過失致死傷容疑で合同捜査本部を設置
5月5日「焼肉酒家えびす砺波店」で食事をし、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症した70歳女性が死亡
神奈川県警は、業務上過失傷害容疑で旭署に捜査本部を設置
5月6日富山、福井両県警合同捜査本部は、チェーン店経営会社、卸業者などを家宅捜索(7日未明まで)
死亡した4人が「福井渕店」「砺波店」で飲食した日に計307食のユッケを販売と判明
5月7日富山、福井、神奈川3県警に警視庁捜査1課が加わり合同捜査本部を設置(主体は富山県警)
16時現在、食中毒を発症した患者は、3県で死亡した4人と疑い例を含め計102人
5月8日合同捜査本部は、新たに富山市内の「焼肉酒家えびす富山山室店」を家宅捜索
5月9日合同捜査本部は、女性1人が重症となった「焼肉酒家えびす横浜上白根店」を家宅捜索
5月10日死亡した4人から検出された菌のDNA型が一致
集団食中毒の患者は、死亡した4人と疑い例1人を含め109人
5月11日合同捜査本部は、午前、業務上過失致死の疑いで卸会社への2度目の家宅捜索
集団食中毒の患者は、死亡した4人と疑い例1人を含め118人。24人が重症
5月12日合同捜査本部は、「さいたま市食肉中央卸売市場」などの場内を実況見分
5月14日合同捜査本部は、福井と富山の店舗を現場検証
5月15日集団食中毒の患者は、死亡した4人と疑い例1人を含め171人
5月16日横浜上白根店で食事をした男性と富山県の系列店で食事をした女性患者の菌のDNA型が一致
合同捜査本部は、業務上過失致死の疑いで富山山室店をあらためて家宅捜索
横浜市は、横浜若草台店の未開封の牛もも肉から大腸菌「O-111」を検出したと発表
10月22日砺波店でユッケを食べた富山県小矢部市の中2男子が死亡。死者は5人目
毎日新聞|読売新聞|時事通信|産経新聞

参考法規

罪 名該当法法定刑
業務上過失致死傷罪刑法第211条第1項5年以下の懲役(禁固)、100万円以下の罰金
法令データ提供システム

生肉の取扱い

新鮮だから生でも安全は間違い肉についている食中毒菌は、少量でも食中毒を起こす。鮮度が良くても、菌がついた肉を生もしくは半生で提供すると、食中毒のリスクは高い。
表面を消毒するだけでは不十分菌は表面だけではなく内部にもいる。

「それでも食べたい」場合は

「それでも私は生肉を食べたい」人は、大根おろしやワサビなど殺菌効果がある薬味類を生肉と一緒に食べると、食中毒の危険性を減らせる可能性がある。
All About「健康・医療」ガイド記事「「それでも生肉が食べたい!」…知っておくべき自衛策」(2011年5月11日)

牛・鶏・豚の「生食用」は流通なし

現在、牛・鶏・豚の「生食用」食肉は流通していない。肉を生で食べるメニューを提供している飲食店もあるようだが、平成20年度現在、国産の牛・鶏・豚の肉やレバーなどの内臓は生食用食肉としての出荷実績はないのが実情。(東京都福祉保健局「食の安心パトロール 子育て編」)

生や加熱不足の肉を原因とする食中毒

原因菌カンピロバクター腸管出血性大腸菌(O157など)
特徴少量の菌で発症する・発症するまでの潜伏期が長い(2〜7日)少量の菌で発症する・発症するまでの潜伏期が長い(1〜14日)
症状下痢、腹痛、発熱。子どもや高齢者の場合、重症化しやすい激しい腹痛、下痢(血便を含む)
抜粋につき、詳細は東京都福祉保健局参照。生肉の取扱い・事業者向けリーフレット(PDFファイル)

ギランバレー症候群

カンピロバクターような食中毒菌に感染すると感染した菌に対して免疫反応が起こる。ある種のカンピロバクターに対する免疫反応が末梢神経を攻撃してしまう事が現在、判明している。それによって、ギランバレー症候群になる可能性がある。
All About「胃腸の病気」ガイド記事「焼肉店の食中毒と難病ギランバレー症候群」(2008年7月22日)

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