現在、刑罰として死刑が選択される場合は、「1983年に最高裁が永山判決(永山基準)で示した9つの要件と、1999年末における同裁判所の判例から、更に5つの要件(A.殺人の前科、B.殺人の計画性、C.犯罪への主導性、D.動機への情状、E.犯行後の反省)を加えて審議される」と言われ、永山判決の9要件と追加された5要件を整理すると、下記の12要件にまとめられる。
| 1 | 犯罪の性質 | 2 | 殺人の計画性 |
| 3 | 犯罪への主導性 | 4 | 犯行の動機、及び動機への情状 |
| 5 | 犯行態様、特に殺害方法の執拗性、残虐性 | 6 | 結果の重大性、特に殺害された被害者数 |
| 7 | 遺族の被害感情 | 8 | 社会的影響 |
| 9 | 犯人の年齢 | 10 | 殺人の前科 |
| 11 | 犯行後の情状 | 12 | 犯行後の反省 |
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- ※『12.犯行後の反省』について最高裁は、「過度な評価をしない」との見解にある。
現在だと
死刑適用の基準要件は、「永山判決の要件と異なる、上記の12事項が問われる」が、審議で上記要件に鑑みて精査すると、死刑判決に至る事例も極僅かである。また、
死刑の規定がある罪に問われても、「殆どが最終判決で
有期懲役刑となり、極稀に
無期懲役刑が選択される程度」である。
刑確定者数の推移(死刑と無期懲役)
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| 刑確定者数の推移 |
2003年まで年間一桁台で推移していた死刑確定者数が、2004年以降だと凶悪事件の増加により、概ね毎年10名以上で推移している。
死刑と『刑の期限(満期)を定めない
無期刑』で刑罰の度合いを比較される事が有る。
- 無期刑には、懲役刑、禁錮刑の二種。
- 実際には、無期刑を受けた後に仮釈放前に獄死する事もあり、実質的な終身刑となることが指摘をされている。しかし無期刑から仮釈放と成る場合には、「受刑者が相応に更生した事を意味する」のであって、それが認められないと仮釈放も無いのだから、当然に終身まで受刑する事も有る。
無期懲役刑の終身刑化
2008年4月以降の法務省矯正局による調査を経て、「現行の無期懲役刑が
終身刑化している実情」が分かった。
服役期間の長期化
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| 服役期間別受刑者数 |
2010年末時点の無期刑受刑者は1796名。その内服役期間が30年以上の受刑者が合計97名いるが、その中には服役期間が50年以上60年未満の受刑者も7名いる。
2004年以降の死刑確定者の増加により2006年から年間刑被執行者数が増加していたが、政権交代後の現政権下での執行は2名のため、未執行死刑確定者数が増加している。2011年については、1992年以来19年ぶりに、年間を通じて「死刑執行ゼロ」の年となった。
死刑被執行者数の推移
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| 死刑被執行者数の推移 |
2000年から1〜3名に減少していた年間刑被執行者数が、2006年から年々増加し、2008年には年間15名になった。2010年7月28日、民主党政権になって初めて、東京拘置所において2人の死刑囚に対して刑を執行。2011年は、年間を通じて「執行ゼロ」の年に。
死刑確定者への刑執行状況(刑確定年ごと)
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| 執行未執行の内訳 |
2012年3月29日時点で未執行の死刑確定者が
132名いるが、内、
100名は2004年以降に刑が確定した未執行の死刑囚。
未執行死刑確定者数の推移
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| 未執行死刑確定者数の推移 |
2003年末時点で56名だった未執行死刑確定者数が、2004年以降の死刑確定者数の増加により、2007年11月には109名になった。その後の執行数の増加などにより95名まで減少していたが、2012年3月(3月2日上告棄却分までを含む)には、これまで最多の
135名に。
刑の執行は、その裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官が指揮する(
刑事訴訟法第472条)が、死刑については、法務大臣の署名がなされている死刑執行命令書が無ければ刑の執行は出来ない(
刑事訴訟法第475条)。
小川法相の場合(2012年1月13日〜現在)
2012年3月に執行命令書に署名。3月29日、東京、広島、福岡の各拘置所において、3死刑囚の刑が執行された。
死刑確定者、死刑被執行者、死刑適用事件など、死刑について詳しい記述がしてあるサイト。
世界で死刑廃止国は次第に増加しているが、日本の最高裁は、1948年の判決で死刑を合憲として以来、その態度を変えていない。国連総会は、2007年12月に死刑執行の停止を求める決議案を賛成多数で採択したが、日本は米国、中国などと共に反対した。また世界の半数以上の国が、法律上、または事実上死刑を廃止しており、アムネスティ・インターナショナル日本によれば、存置国は日本や米国を含めて59か国となっている。(参照
死刑存廃問題の解説 :
死刑制度 - kotobank )
死刑を支持する声
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| 死刑制度について |
クリックリサーチの調査では、
「自動的に死刑執行」の賛成が8割」(2007年10月発表)にのぼるなど、死刑判決後から執行までの時間がかかることに不満を感じる人も多いようだ。また、死刑判決が出た光市母子殺害事件について、All About ガイド記事では、ガイドの意見として「
死刑制度は存置すべきだが、残酷な刑罰である死刑を適用するにあたっては、慎重になる必要がある」と述べている。
死刑廃止を求める声
人道主義的または刑事政策的な見地から死刑を廃止すべきだとする主張やそもそも国家には犯罪者の生命を奪う権限は認められないという法哲学的議論もある(kotobank「
死刑廃止論」)。
死刑制度が廃止された場合、現行のままであれば、改正法施行後の罪の最高刑が無期懲役刑になるが、死刑という刑罰が無くなるため、既に死刑が確定している死刑囚の刑の執行も出来なくなる。よって、死刑判決を宣告され上訴中の被告は、裁判で無期懲役に、地下鉄サリン事件(死者12名、重軽傷者5500名以上)などオウム関連事件での罪で死刑が確定した死刑囚など、未執行の全ての死刑囚は、恩赦で無期懲役に減刑されることになる。
第六条 犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、その軽いものによる。
刑法
第六条 減刑は、刑の言渡を受けた者に対して政令で罪若しくは刑の種類を定めてこれを行い、又は刑の言渡を受けた特定の者に対してこれを行う。
恩赦法
第11条 死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。
2 死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する。
刑法(明治40年法律第45号)
第475条 死刑の執行は、法務大臣の命令による。
2 前項の命令は、判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。
第476条 法務大臣が死刑の執行を命じたときは、五日以内にその執行をしなければならない。
刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)
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