消費税引き上げ問題

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首相が超党派での協議入りを主張するも、党内からも批判が出るなどし、支持率低下への影響も懸念されている。[関連情報]

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消費税増税論の流れ

自民党が与党時代に与謝野馨氏や谷垣禎一氏を中心に、増税の必要性を議論。与謝野氏が会長を務めた自民党財政改革研究会が2008年6月11日、消費増税と軽減税率を盛り込んだ提言を公表してから増税論議がなされるようになった。その後、民主党(鳩山由紀夫代表(当時))は、2009年夏の衆院選で、「消費税増税論を4年間封印する」という公約を掲げて大勝、一旦、消費税増税論は議論されなくなった。しかし2010年参院選を前に、菅直人首相が「自民党の10%増税案を参考にして」という発言が論議を呼び、民主党は大敗、議席を10も減らすことになった。その後、野田佳彦首相の下、民主党税調が2011年12月末に2014年4月に8%、15年10月に10%などとする案を了承した。

増税をめぐるスケジュール

2011年1月政府・与党が一体改革の素案決定
与野党協議(不確定事項)
通常国会(社会保障改革の関連法案を順次提出)
2012年3月消費税を含む税制の抜本的な改革に係る具体的な改正内容を定める法案を提出
時事通信平成21年度税制改正法附則(PDFファイル)

消費税の増税をしなければギリシャの二の舞になるのか

記事見出し筆者・論者抜 粋
野田政権は消費税増税を断行してほしい(nikkei BPnet)(2012年1月12日)伊藤元重(東京大学大学院経済学研究科教授、総合研究開発機構理事長)欧州で起きている財政破綻などを見て、日本で財政的安定がまだ5年以上も続くと信じている人は少ないだろう。欧州での経験からも分かるように、それまで安定していた財政も、いったん異変が起きると坂を転がり落ちるように悪化する。日本ではそうならない、という保証はないのだ。
【テーマ3】日本国債の暴落は起こるか?2012年は財政健全化の道筋を国内外へ示す年(ダイヤモンド・オンライン)(2012年1月4日)片田江康男(ダイヤモンド・オンライン編集部)2012年は財政健全化の方向性を国内外にはっきりと示さなければ“日本のギリシャ化”が現実のもとのなる可能性が出て来る。その“ギリシャ化”を避ける方法として、即効性と実現可能性がもっとも高そうなのは、残念ながら消費税増税しかなさそうだ。
【消費税増税】「財政再建の最低条件」(SankeiBiz)(2012年1月6日)河野龍太郎(BNPパリバ証券チーフエコノミスト)現役世代は社会保障の持続可能性に疑念を抱き、将来不安から消費を抑制している。このまま放置するとギリシャと同じような状況になってしまう。
古賀茂明「増税こそがギリシャへの道。消費税率引き上げの前に『戦う成長戦略』で日本再生を」講演録後編(現代ビジネス)(2012年1月6日)古賀茂明いまのまま増税していけば確実に「ギリシャへの道」だということ。つまり財務省は「ギリシャにならないために増税だ」と言っているが、私は「いまのまま増税すればギリシャへの道だ」と言っている。
フランスの国債格下げを政府は「消費税引き上げありき」のロジックに使うな(村上龍 Japan Mail Media)(2012年1月24日)真壁昭夫(信州大学経済学部教授)フランスの格下げについては色々な見方があるようだが、基本的には、財政状況の悪化に対する警鐘として真摯に受け止めるべきだと思う。一方、政府は、「消費税引き上げありき」のロジックに使うべきではない。
日本国債バブル「18カ月以内に崩壊する」(日本経済新聞)(2012年1月29日)カイル・バス(ヘイマン・キャピタル・マネジメント創業者)一般会計から切り離し、『年金交付国債』なる耳慣れないものが登場していたのです。これは基礎年金の国庫負担分2.6兆円を、将来の消費税増税で償還して穴埋めする仕組みです。まだこの世に存在せず、実現する保証もない増税をあてにして交付国債を発行する。こんなことが許されていいのでしょうか

参考

「消費税10%」で財政問題は解決するのか

記事見出し筆者・論者抜 粋
消費税10%で日本の財政問題は解決するのか?(BPnetビズカレッジ)(2012年1月17日)小宮一慶(経営コンサルタント)消費税を5%上げると、約13兆円の税収増になると考えられているが、今の財政赤字の残高から考えると、金利がわずか1%程度上昇しただけで中長期的にはその額も吹っ飛んでしまう。日本の財政赤字は、1000兆円を超えている。
消費税はどこまで上がるのか?(学習院大学教授・鈴木亘のブログ(社会保障改革の経済学)(2012年1月27日)鈴木亘(学習院大学経済学部教授)もし、この16.6兆円の赤字を消費税のさらなる引き上げで賄えば6%分であるということであるが、当然、消費税引き上げをこの時期に相次いで実際に行えば、景気が相当悪化することになる。法人税や所得税は減少し、消費税率の6%引き上げ程度では、とても財政赤字を解消できないだろう。したがって、もし消費税引き上げだけでプライマリーバランスの財政赤字解消をするとすれば、さらに1%、2%分の糊代をもって、消費税引き上げをする必要があることになる。
無責任な増税議論 社会保障は削るしかない(WEDGE Infinity)(2011年12月6日)原田泰(東京財団上席研究員)これなら実現可能な消費税率だろうが、1980年の高齢者一人当たり社会保障給付費は233万円、2010年は398万円だから、高齢者一人当たりの社会保障給付費を現行の水準より41.5%も減額することになる。これでは福祉をカットしすぎと受け入れられないだろうが、小泉政権末期の水準に下げても41.6%の消費税増税が必要となる。現実的な消費税増税幅と福祉支出のカット率を考えなくてはならない。
消費税10%は入り口にすぎず最終の税率は20〜30%台か(キヤノングローバル戦略研究所)(2011年10月31日)小林慶一郎(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)日本の財政学者やエコノミストは、社会保障費の削減とセットで消費税率を最終的に20〜25%程度にすることが必要だと見ている。

今、消費税を上げるべきか

政府の主張

財政破綻への危機感

消費税増税に対する賛否

増税派と反対派と上げ潮派

増税派(自民党、民主党、たちあがれ日本、新党改革、日本創新党)
「膨大な国債累積の返済を考えれば、増税は不可避。国民から平等に税金を徴税するためには、段階的な消費税増税が必要である。」という立場。増税時期を見計らいつつも、増税ありきの姿勢は崩さない。
反対派(公明党、共産党、国民新党、社民党、女性党)
国民に負担を強いる安易な増税は、原則、反対という立場。
消費税増税の完全反対ではないが、増税ありきでもない。冷静に、対経済成長効果や対税収効果を見極めて判断しようとする立場。
増税派や反対派の政党の中にも、上げ潮派的に考える議員も少なくない。まず経済成長の2〜5%達成を目指し、税収増を図ることにより、消費税増税の先送りと規模縮小が可能になるとする。景気および税収が上げ潮状態になった段階ではじめて、消費税の是非を議論しようという立場である。増税ありきではなく、減税や消費税撤廃も議論する。景気を盛り上げ、経済成長とともに税収がアップすることにより、年金財源は確保できるので、さらに消費税を削減して景気高揚・経済成長を促し、全体のパイを高めてゆきたいという主張もある。
上げ潮派の理論的根拠としては、これまで平成元年の3%導入後や、平成9年の5%増税後には、確実に消費景気が冷え込んでおり、結局、全体税収を大きく下げることになっている(参照:年度別全体税収データ(財務省))。

国の財政状況

借入金の増加について

日本の借入金は年々増加し、2007年度末で547兆円にも上ると見込まれている。残高はGDP比で177.6%と、主要先進国の中でも最悪の水準。財務省の一般会計主要経費別歳出の推移によると、社会保障関係費と国債費が増大している。
(ただし、日本国債を買っているのは、ほとんどが日本人(財務省平成20年度の債務管理政策(PDFファイル))であり、さらに円建てで発行しており、日本国は対外債権債務のバランスシートでは200兆円以上の黒字を維持していることから、ギリシャ等の債務国と同一視することには疑問の声があがっている。加えて、財務省の判断は、国債等の「負債の部」についてのみ強調される向きがあるが、インフラ投資(道路やダム等)の財産的価値(500兆円前後)を「資産の部」として見るならば、日本の財政赤字は深刻なものではないとの見方もある。実際、G20での会議でも、日本の財政赤字は、例外視されている。)

基礎年金の国庫負担引き上げ

2004年の年金改革で、安定した年金財政を目的に、「2009年度までに基礎年金の国庫負担率を2分の1まで引き上げる」ことが定められた。これには2兆3000億円の財源が必要とされる。

法人税収の伸び悩み

景気の急激な落ち込みによって法人税収が減り、財務省が7月1日に発表した2008年度の一般会計の決算概要では、歳入の不足額が歳出の不用額を上回り、7180億円の歳入欠陥となった(ロイター)。

医療・介護サービスの改革の財源

社会保障国民会議が2008年10月23日の会議でまとめた内容では、医療や介護サービスが将来あるべき姿であるためには、税負担として現行の消費税を5%から13.5%へ引き上げる必要があると示している。この試算には、現在41兆円の費用がかかっている医療や介護サービスが、2025年にはその倍の91兆円以上になることが見込まれている。

消費税の使途

消費税(4%分)、および地方消費税(1%分)は、それぞれ、国および地方の一般財源となっているが、国の財源となる分(全体の5%のうち56.4%分[数字は平成20年度予算より算出])は、一般会計予算総則により、基礎年金、老人医療および、介護の福祉予算の財源とすることに定められている。

「税と社会保障の一体改革」案において

政府・与党が2012年1月に決定した「一体改革」案では、消費増税を2段階で実施し、税収の使途は全額を社会保障に充てる、としている。

一般会計と特別会計

「一般会計」とは、教育、社会保障や公共事業など国が行う基本的な経費のことである。これに対して「特別会計」とは、国有林野事業や道路整備など、一般の歳入・歳出と区別して経理する必要がある場合の会計のことである。

消費税の税収

3%の税率でスタートした1989年では年間3.3兆円の税収だったが、その後は増加、1997年に税率を5%に引き上げた後は年間約10兆円の税収がある。(但し、全体税収としては、消費税を上げた後は、3%時も5%時も、増税前よりも下落している)また公債発行残高も、3%の頃よりも5%になってからの方がむしろ増加している。(リンク部分:All About)
  • 税制の現状 - 所得税、法人税の税収は景気動向に左右されやすい一方、消費税の税収は10兆円前後で推移しており、比較的安定しています。財務省「税制について考えてみよう(2011年10月発行)」
  • 納得感薄し―消費税引き上げ議論と家計への負担 - 5%に引き上げられた後の税収の推移など。All About(2012年1月16日)

平成23年度予算において

平成23年度予算における消費税の国の税収は、10兆1990億円。

税収・税率の国際比較

日本と諸外国の消費税(標準税率)を比べてみると、日本では5%だが、スウェーデンでは25%となっている。(2009年現在)

消費税の逆進性

消費税は全ての所得階層に対して同率の税率が課せられるが、一般的に、低所得者層のほうが高所得者層に比べて消費性向が高いため、相対的に低所得者に対する負担が高くなってしまうという問題があるとされる。(ニッセイ基礎研究所「消費税の逆進性の問題に関する考察」)一方、死ぬまでに所得を使い切ってしまうとすれば、貧乏人も金持ちも生涯所得に対して税率は同じになるとして逆進性はないという考え方もある。(ダイヤモンド・オンライン「消費税は低所得者に不利か?「逆進的」という誤解を解く」(2007年12月19日))

消費税上げの影響や試算

試算

内閣府は2012年1月24日、「経済財政の中長期試算」を提出。消費税率を15年10月に10%に引き上げても、財政健全化の指標である「基礎的財政収支」(国と地方の合計)の赤字幅は、15年度に16.8兆円と、名目国内総生産(GDP)の3.3%、20年度で16.6兆円(同3%)となる。政府は「15年度の赤字を10年度(同6.4%)から半減し、20年度に黒字化する」と約束しているが、守れなくなりそうだ。20年度に黒字化するには、消費税率をさらに7%引き上げる規模の財源が必要だ。

「消費税10%」の家計への影響

大和総研の試算

夫婦のどちらかが働き、子供が2人いる年収500万円の標準世帯では負担増で可処分所得が約31万円も目減りする。SankeiBiz

影響

不動産の消費税
不動産は高額な商品であるため、消費税が引き上げられると販売価格に大きく影響する。NPO法人住宅情報ネットワークが運営する「マンションってどうよ?」の記事「マンションの消費税」では、消費税の内訳や消費税が引き上げられた時に販売価格に及ぼす影響を解説。

消費税に関する首相の発言

消費税に関する意識調査

消費税の社会保障目的税化「反対」56%
消費税の社会保障目的税化「反対」56%

消費税のしくみ

消費税とは、商品等の販売やサービスの提供などの取引に対してかかる税金である。
消費者は商品などの価格に含まれた消費税と地方消費税を負担し、納税義務者である事業者が申告して納付する。輸入消費税については、税関に納付する。

課税される取引

  1. 国内における取引
  2. 事業者が事業として行う取引
  3. 対価を得て(有償で)行う取引
  4. 資産の譲渡、資産の貸付及びサービスの提供
また、外国からの商品を輸入する場合も、輸入のときに課税される。
消費税 - 一般的内容から専門的内容まで消費税の取り扱いについて解説。国税庁

消費税法

消費税廃止法案

1989年の参院選で、自民党が大敗して与野党が逆転し、野党は消費税廃止関連法案を参院に提出し可決したものの、衆院では自民党が過半数を占めていたため、衆院選後の特別国会で、野党が衆院に提出した消費税廃止法案が否決。政府の消費税見直し法案も、衆院は通過したが参院で廃案に。

意識調査

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